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『のだめカンタービレ』

息子が、Pachelbelのカノンをバイオリンで今週中に弾けるようになるらしい。(突然、そう宣言された。)
カノンなんだからメインのフレーズが弾けるようになれば大丈夫、そんなに果敢なチャレンジでもない。

なんてことはない、『のだめカンタービレ』っていう漫画の影響で、久々にバイオリンを弾いてみたくなったらしいのだ。
、、、、わかる、、、、。
私もそれ読んで情熱を取り戻したもん。


○『のだめカンタービレ』
『のだめカンタービレ』の「のだめ」ってのは、「野田恵(のだめぐみ)」って言う主人公のニックネームで、別に「駄目」っていう意味はない。だけど、いろいろ問題が多い人で、周囲からは理解されにくいし、ダメな判定を下されがち。
『のだめカンタービレ』は、そんな彼女と、その才能をいち早く見いだした俊才、早熟、読解力の帝王みたいな指揮者(を目指す男)とのラブコメディ&ジリツ物語。

この漫画の主人公の「のだめ」ちゃんは、いまんとこまだ真剣に楽譜を読まない、っていうか、読む必要がないと思ってる。
耳がよくて、曲を聞けば一発で覚えちゃうっていうタイプ。
これは、うちの息子そっくり。
彼は耳で聞いて曲を弾く。
(わたしはそれができないから楽譜と首っ引きなんだけど。)
彼は、彼が聞いた音を奏でようとする。
わたしは彼がきいた音楽を聴かないで、
それが楽譜と違うってことばっかりいってたような気がする。

、、、、、どんどん反省する××。。


というわけで、
ただで手には入るPachelbelのカノンの楽譜をいろいろ調べています。
4重奏の楽譜ではチェロ伴奏はめっちゃ簡単。
これじゃ、退屈してしまいます。
バイオリンとチェロ2台だけで劇的カノン楽譜情報がありましたら、
どうぞ教えてくださいませ。
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by yyymotot | 2005-07-14 00:31 | Books

退屈な春はサスペンス

『19才』 永瀬隼介著 角川文庫
 92年千葉県市川市での一家4人惨殺事件の犯人関光彦に関するノンフィクション。

『サイレント・ボーダーー』永瀬隼介著
 「19才」で一家四人惨殺犯を長年取材したノンフィクション作家の初長編サスペンス。後何作か同じように、殺人に対する戸惑いや改悛の気持ちを持たない「底の抜けた」人物を犯人とする作品があるらしい。探してみるつもり。

『黒冷水』羽田圭介著 河出書房新社
 史上最年少17才の高校生作家の2003年度文藝賞受賞作品。
兄弟間で憎悪が醗酵していく様を書いて見事。結末もよい。

『リミット』野沢尚著 講談社文庫
 昨年自殺してしまった野沢尚。誘拐事件の捜査に関わる婦人警官。被害者宅で張り込んでいる最中に自らの息子が誘拐犯の手に、、、。密輸、幼児売買、臓器移植、それにかかわる「底の抜けた」人物など現代の暗部を折り込みながらのスリリングな展開。
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by yyymotot | 2005-03-20 11:25 | Books

『さまよう刃』東野圭吾

ついでに『さまよう刃』東野圭吾
妻の死後宝物の一人娘を底抜け未成年動物男たちにレイプされ殺害された父が、仇討ちしようとする話。
完全に現実の違和感が再現される。こんなことあったよな、、、ぐらい普通な展開。
でも、現実が現行法のジレンマを乗り切れないように、やっぱり同じようにやり切れなさが残る結末。
読後感の悪さが、さらにリアル。
リアルな展開って確かに問題意識を提示するけど、少年法関連について、現状との乖離とか、そう言うのを盛り込めばええのに、とつい、思ってしまう欲張りな読者でした。
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by yyymotot | 2004-12-28 22:50 | Books

『航路』 コニー・ウィルス

『航路』 コニー・ウィルス
う〜〜、、久々に<読んだよ〜>っていう感じ。
簡単に言えば、「臨死体験SFもの」。
臨死体験を科学的に解き明かそうとする主人公ジョアンナが、実際に疑似臨死実験を通してその秘密に最後辿り着く、、っていう話。この本に出てくる疑似臨死体験誘発剤「デジテミン」は著者の創作なのでジョアンナが辿り着いた結論だって実は一つの可能性にすぎないんだけど。

ニアデス体験者が語る天国やら極楽やらの話は、無宗教者(多宗教者)の多い日本人ならすぐそれが何かのメタファだとわかるんだけど、流石ブッシュを再選させた宗教国アメリカ。ニアデス者の天国的なイメージですっかり舞い上がっちゃうらしい。神の国はあるようだ、、、とか、そういう話にもってけば大受け。この本は、そういう現実の状況にトンデモ嫌いな著者が、全く別の解釈を提供する話。そう、別の解釈、、、。でも、実は、彼女の解釈はそんなに救いのあるものではない。救いはないけど感動する。
救いとか癒しとか、そう言うものと感動が全然別ってことがよくわかる。


日本ではニアデスもので有名なのは立花隆の『臨死体験』だろうか。多分読んだと思うけどすっかり忘れてる。
いずれにしても、肉体的に異常事態が起き苦痛を引き起こす時、脳がそれを緩和するためにエンドルフィンやそれに近いものを分泌して死の肉体的苦痛から逃避させるんだろうな、、、ぐらいは考えてた。
でも、コニー・ウィルスが描き出した結論は、、、、。

以下ネタバレ
 今回『航路』で物凄くショックなのは、脳死ビジョンとはあるメタファ〜にすぎないというくだり。
人間の考え、創造物なぞ、すべからく脳のメタファーにすぎない、といった養老タケシの言葉を思い出した。

『航路』は、ニアデスのビジョンは死に対抗しようとする脳のSOS活動だったっていうオチ。襲いかかる「死」に脳はSOS信号を打ち続けあらゆるシナプス連結を行い、死を回避しようとする。あらゆるビジョンは、その最後のあがきだって言う訳です。ニアデスで語られる故人との出会いも、天国のような光景も光もすべて、理解不能の「死」というものに対して、なんとか整合性をつけよう、終わりを回避しようとする脳の最後のあがきだという解釈。

私たちがその死を倫理的に社会的に解釈し納得したところで、死に際した脳は、かつて一度だけつながった経路までを探し出して
「SOS]を発信しようと躍起になり様々なビジョンを見せ、なんとか死を免れようとあっちこっちに信号をやみくもに送る、かつて一度でもつながったことのあるシナプスを必死で探しだし「SOS」を送り続けるようとする、、、。
なぜなら「死」という概念は脳の機能それ自体には決して理解できないできごとだから、、、。
なんと切ない話でしょう。
脳!がんばるからね。って呼びかけたくなる。生命っていうのやっぱり凄い感動的なものなんだなあ。



だれも死者が語るようには「死」を説明する事は出来ない。
疑似臨死体験誘発剤がたとえ出来たとしても、それは、本当の死とは多分ちがう。でも、それがあった時、どんな風に人間はどんな風に死を理解し直すだろう。それによってどんな風に自分の生を価値づけることができるだろう。そんな if に挑戦したコニー・ウィルス。
極私的な自分を超え、様々に死んでいった、あるいは死につつある、あるいは、死んでいく多種多様な「私」という集合体に対する壮大なレクイエムを聞き続けている感覚が読後2日経ってもまだ残っている。
絶対おすすめ。
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by yyymotot | 2004-12-28 22:35 | Books

伊坂幸太郎ことコウ様書き下ろし『魔王』にオバハン感涙。

とはいえヨン様に熱狂できない私には、コウ様がいる。
久しぶりに本屋に行ったら,『エソラ』っていう雑誌が発刊されてて、そこでコウ様が『魔王』300枚を書き下ろされてた。読む前から久しぶりに幸せになる。
どんな結末であろうと、コウ様のお話は読む楽しみに満ちている。ちょっと前に出た殺し屋達の物語のタイトルは『グラスホッパー』、今回は『グラスホッパー』っていうカクテルが登場するよ。そんな、ファンサービスもコウ様らしくて。

『魔王』では、今の日本のムードそのものが描かれてる。
宮沢賢治の詩編と岩手山がコウ様『魔王』の重低音域でのリズム。『冒険野郎マクガイバー』が身体的なリズム。それらのリズムに合わせてラッパーコウ様の物語が疾走する。
やっぱ、コウ様、ええなあ〜〜!
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by yyymotot | 2004-12-03 21:48 | Books

エイズ問題

帚木蓬生『アフリカの瞳』
南アフリカ共和国で医療に従事する作田医師が蔓延するエイズ禍の真相に迫る感動的サスペンス。



 ところで、アフリカのエイズ被害の認識はエドワード・フーバー著『The river』(BBSのアフリカ特派員であったフーバーによるポリオワクチンHIV汚染エイズ起源説。)(1999年刊)に遡る。
 フーバーの説は、刊行後すぐにあらゆる科学雑誌や専門家から攻撃される。専門家たちがトンデモ本として無視できなかったのは彼の説が膨大な調査と資料に裏付けされていたからだ。(ネットをいろいろみていると、専門家たちの素人分析に対する態度がいかに冷徹で、残虐かよくわかる。素人なのに、少しわかった風な口をきくととんでもないことになる、、、こともあるみたいだよ。ありがちなこと?)

 結果的に、フーバーの説はただの仮説でしかあり得ないということにおちついた。でも、『Nature』などの権威的科学雑誌や専門家がたった一冊のジャーナリストの本に反論する為これほどのエネルギーを注いだことは相当異例のことだったらしい。
なぜ、彼らが一斉にフーバー説を叩きのめしたのか。その立論の過程がアナボコだらけだったから?あるいは膨大な調査や資料が科学を擬態しているように思ったから?確かにそういう部分もあっただろうけど、科学者ではないジャーナリストの推論に対してその反応は大げさすぎない?

フーバーの本に専門家たちが過剰に反応したのは、実は、それが、モラルの問題だと直感したからではなかったかとか、思うよ。世界で起きているとても悲惨な現実と科学のモラルとの問題を彼らに問うていたから、それを無視するため、その問い自体を無意味なものにしなくてはならなかったのではなかったのか。腰抜けじゃん。

『The River』は、ポリオワクチン起源説を展開しながら、数字とグラフでアフリカの現実を浮かび上がらせる。
アフリカでだけ、なぜ、これほど、エイズ禍が広がってしまっているのか。植民地化された後の、奴隷の供給地となった後、その地はなにを失ってきたのか。植民地化され、奴隷となり、差別された人々が、結局どんな暮らしをしてきたのか。
こういうリアリティとアフリカのエイズ禍が実は密接に結びついちゃっていたりすることが、フーバーレポートから読み取れちゃう。エイズの起源より、もっと深刻なリアルな問題。

でもって、帚木蓬生『アフリカの瞳』だ。
実はね、アフリカのエイズ問題もニュースで聞くぐらいしか知らなかった。
この本を読んで、いろいろつながったよ。
ニュースで見るアフリカのエイズ問題



そういえば、この小説の中で、知的所有権とエイズ薬の扱いについての話が出てきてた。HIVからエイズ発病を遅延させるための薬開発のためには莫大な投資が必要。その投資を上回るリターンを確保するのは当然だとして、それが回収された時点で苦しんでいる人たちには無料提供もありじゃん、それが企業ってもんじゃないの、、、っていう話には、感動した。
なんか、winny問題も同じ?
ソフト開発者たちの利益は損なわないし、才能にはお金出しても全然平気。だけど、それで潤ったら、それ以上もうけないでもいいよ、みんなであそぼ、って感じ。
そんな風になったらいいのにね。


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by yyymotot | 2004-07-06 23:03 | Books